懐かしいラーメン

 

 小さい頃、両親と兄二人と祖父そして私でよく行っていたラーメン屋さんがありました。

 家から車で15分くらいの場所に、こじんまりとした店内の魚ベースのラーメン屋、私はいつもチャーシューワンタン麺を母と半分こ。

 

 みんなで食事に行かなくなり、そのお店にも行かなくなり10年以上経っていました。

 それなのに今日無性にそのラーメンが食べたくなり、1人で電車で食べに行きました。

 

 お店に入ると、カウンターと4人がけのテーブルが三つ。電車が通るのを窓から見える風景、魚だしの匂い、店主、何も変わってなくて感極まりながらチャーシューワンタン麺を頼みました。

 ぼーっと店内を見てると  4人がけのテーブルには私と両親と祖父。カウンターに兄2人。古い青年漫画を読む兄。全部を鮮明に思い出してなんともいえない感情になりました。

 

 家族も自分も変わってしまったけど、ここはなにも変わってなくて来るだけで鮮明に思い出してしまうほど何気無い日常が良い思い出として残ってるんだなあなんてくさいことを考えてしまいました。

 

 チャーシューワンタン麺は、うつわが洗面器みたいに大きくてチャーシューもワンタンもふんだんに入っていて、そんな大きいラーメンも1人で食べれるようになっていて、自分で稼いだお金でこのお店のラーメンを食べるようになって大人になってしまったな。

 

 こういうことを思い出すたびに、おじいちゃんともっとご飯に行きたかったと何年経っても思ってしまう。

 

 もう思い出には戻れないんだなあ。

 

 ご馳走様でした。